先輩からのメッセージ

油田さと子 / 宮川智成 / 朝岡延豪


[ 卒業生・修了生の進路(進学・就職) ]









































油田 さと子(2000年修士修了)
修士論文研究:DSMC法を用いた再突入流れの計算
日本アドバンス・テクノロジー(株)http://www.nat.co.jp/
「エンジニアとして見る宇宙開発」



日本機械学会誌 第106巻 第1010号付録 メカトップ関東(H15/01/05発行)より転載
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宮川 智成(2001年修士修了)
修士論文研究:NO分子の放射吸収特性
(株)IHIエアロスペース 富岡事業所
第一宇宙技術部 第一宇宙技術グループ

http://www.ihi.co.jp/ia/

−近況報告−
 入社して3年目の春。コピー手伝い〜FM品設計まで、さまざまな面で携わってきたM-Vロケットが無事、MUSES-Cという小惑星探査機を宇宙へと送り込んだ。
 設計者である前にひとりの観客として、居ても立っても居られなくなり、鹿児島県内之浦町まで自費でM-Vを見届けてきた。なんという興奮、緊張感、絶対的な自信。いやいや、心の中は不安いっぱいだった。失敗したら、そのまま大隈半島の樹海に逃げ込もうと思っていた。
 MUSES-C計画そのものはまだ始まったばかりだが、運び屋としては無事任務を達成した。偉そうなことは言えないが、技術者として少し自信を持てたと思う。


−学生時代の研究−
 学生時代は、『NO分子の放射吸収特性』と題して、NALと共同研究という形で、アーク加熱風洞流の研究をさせていただいた。“群大から宇宙開発を目指す”というひとつの目標の基に、研究室配属でエネイチに入ることができた喜びは、学生時代、また卒業した今でも忘れることができない。
 学生時代良く思っていた、「この勉強しても仕事してから役に立つのか?」という疑問は、今では、「あの勉強をしておいたら仕事に役に立ったのに」という悩みに変わった。
 決して全ての勉強が仕事に役立つとは言わない。しかし、疑問に思った事、知らない事に出くわした時に、問題を解決するまでのプロセスを自分の頭で描けるような取り組みをしていれば、社会に出てから心配は要らないだろう。


−就職アドバイス−
 私がやってきた就職活動はひとつのプロジェクトだったと言っていいかもしれない。
 4年間、もしくは、6年間かけて開発してきた新商品(自分)をいかに戦略的に売り込むか?、営業の立場からすれば、商品の特徴を的確に把握しつつも、中身がどうであれ、売りさばかなければならない。

 私がアピールする上で気を配っていた点をいくつか挙げる。
・自分の長所、短所を見極め、長所は過大にアピールし、短所は前向きな表現でカバーする。
・活動開始から会社を絞り込みすぎないこと。世の中のすべての会社から自分が行きたい会社をピックアップし、上位20社程度をランク付けしてみる。
・履歴書は自分の長所を多く書けるものにする。
・過去問はOBの力を駆使する。

以上、まとまりの無いOBからのメッセージになってしまったが、何か質問のある方は宮川まで。

2003/06/23
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朝岡 延豪(2001年修士修了)
修士論文研究:衝撃波伝播に伴う円形音速自由噴流の数値解析
SMC(株)
http://www.smcworld.com/

 就職してあっという間に3年間が過ぎようとしています。社会人となって、学生時代にまして、時間が経つのが早くあっという間に年を取ってしまいそうです・・・。

 私の仕事は空圧機器メーカーの工場の生産設備を導入するなど、生産技術に関わる分野となっています。学生時代にはあまり熱心に勉強しなかった、加工に関する知識などが必要であり、もっと勉強しておけば・・・、という後悔がないわけではありませんが、必要だと思ったときに勉強すれば何とかなるということも社会人になってから実感しました。

 もともと、入社時は製品開発をやるのだろうと自分では思っていましたが、なぜか生産技術に配属され、どうなることかと自分でも不安でした。今では生産技術という仕事も奥が深く、とてもやりがいのある仕事だと思っています。現在は設備導入、ライン構築を始め、色々なことをやらせてもらえる環境にあり、非常に満足しています。

 いざ就職してみると、学生時代に自分が思い描いていた想像と違っていたり、希望していた部署に配属されなかったりと思いどおりにいかないこともあると思います。しかし、そんな中でもやりがいを見出し、自分なりにチャレンジすることが大切だと思います。人生何が幸いするか分かりませんから・・・。学生時代にはたくさんのことを経験して、いろいろなことを感じて、人間として成長ができれば、どんなところでも逞しく活躍ができるのではないかと思います。

 さて、エネ1の学生では製造業への就職は少ないとは思いますが、日本の製造業を取り巻く環境は依然厳しい状態に置かれています。私の会社も中国に工場がありますが、中国の人件費は日本の約5分の1といわれ、この人件費をカバーするような、付加価値のあるライン(生産リードタイム、品質、自動化等)を構築していかなくては、日本の仕事はなくなってしまいます。しかし、日本ではただ量産するだけでなく、多品種少量生産を進めるなど、これまでの大量生産ラインを否定したものづくりへのチャレンジが始まっています。私たちは20年後、30年後も日本の工場を誇れるように努力していかなければならないと思っています。資源も乏しい日本では、製造業が国の発展を担ってきました。これからも日本経済を引っ張っていかなければならないと思います。皆さんの中からも、製造業へと進む方がいましたら、是非がんばりましょう。

 なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが、無理やりまとめると、大学で学んだたくさんのことはいずれ自分の役に立つときが来ると思います。(これは直接的な場合も、間接的な場合もありますが・・・。)そして、何かの縁でエネ1に配属されたわけですから、エネ1の諸先生方よりたくさんのことを吸収できればこんな素晴らしいことはないと思います。限られた学生時代を悔いのないよう満喫してください。

2003/11/22
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